8. シート情報の取得

8.1. シート上の位置情報の取得

読み込み時、書き込み時にマッピングしたセルのアドレス取得できます。

取得方法は複数ありますが、Map<String, CellPosition> positions フィールドを用いるのが記述量を少なくできます。

  1. Map<String, CellPosition> positions というフィールドを定義しておくとプロパティ名をキーにセルの位置がセットされるようになっています。

  • アノテーション @XlsMapColumns のセルの位置情報のキーは、 <プロパティ名>[<セルの見出し>] としてセットされます。

  • アノテーション @XlsArrayColumns のセルの位置情報のキーは、 <プロパティ名>[<セルのインデックス>] としてセットされます。

  1. アノテーションを付与した <setterメソッド名>Position というメソッドを用意しておくと、引数にセルの位置が渡されます。

  • 位置情報を取得用のsetterメソッドは以下のいずれかの引数を取る必要があります。

    • int x, int y

    • com.gh.mygreen.xlsmapper.util.CellPosition

  • ただし、@XlsMapColumns に対するsetterメソッドは、第一引数にセルの見出しが必要になります。

    • String key, int x, int y

    • String key, com.gh.mygreen.xlsmapper.util.CellPosition

  1. アノテーションを付与した <フィールド名>Position という com.gh.mygreen.xlsmapper.util.CellPosition 型のフィールドを用意しておくと、セルの位置が渡されます。

  • ただし、@XlsMapColumns に対するフィールドは、Map<String, CellPosition> 型にする必要があります。キーには見出しが入ります。

  1. com.gh.mygreen.xlsmapper.util.CellPosition クラスの代わりに、以下のクラスでも代替できます。

  • java.awt.Point

  • org.apache.poi.ss.util.CellAddress

 1public class SampleRecord {
 2
 3    // 汎用的な位置情報
 4    public Map<String, CellPosition> positions;
 5
 6
 7    @XlsColumns(label="名前")
 8    private String name;
 9
10    // プロパティごとに個別に位置情報を定義するフィールド
11    private Point namePosition;
12
13    // プロパティごとに個別に位置情報を定義するメソッド(Pointクラス)
14    // フィールド positionsが定義あれば必要ありません。
15    public void setNamePosition(CellPosition position) {
16        //...
17    }
18
19    // プロパティごとに個別に位置情報を定義するメソッド(Pointクラス)
20    // フィールド positionsが定義あれば必要ありません。
21    public void setNamePosition(int x, int y) {
22        //...
23    }
24
25    // @XlsMapColumnsの場合
26    @XlsMapColumns(previousColumnName="名前")
27    private Map<String, String> attendedMap;
28
29    // プロパティごとに個別に位置情報を定義するフィールド
30    private Map<String, CellPosition> attendedMapPosition;
31
32    // プロパティごとに個別に位置情報を定義するメソッド1
33    // @XlsMapColumnsの場合keyは、セルの見出しの値
34    // フィールド positionsが定義あれば必要ありません。
35    public void setAttendedMapPosition(String key, CellPosition position) {
36        //...
37    }
38
39    // プロパティごとに個別に位置情報を定義するメソッド2
40    // @XlsMapColumnsの場合keyは、セルの見出しの値
41    // フィールド positionsが定義あれば必要ありません。
42    public void setAttendedMapPosition(String key, int x, int y) {
43        //...
44    }
45
46}

注釈

フィールド Map<String, CellPosition> positions と対応するsetterメソッドやフィールドをそれぞれ定義していた場合、 優先度 positions > setterメソッド > フィールド に従い設定されます。

8.1.1. 書き込み時の位置情報取得の注意点

書き込み時は、行を追加/削除する処理がある場合、アノテーションを付与したプロパティの処理順序によって、セルの位置が正しく取得できない場合があります。

例えば、既に処理して取得したセルの位置情報よりも、上方の表で後から行を削除、追加したとき、取得済みのセルの位置情報が不正になります。

このような場合、アノテーション @XlsOrder をプロパティに付与して、処理順序を一定に保ちます。

 1@XlsSheet(name="情報")
 2public Employee {
 3    // セルの位置情報
 4    public Map<String, Point> positions;
 5
 6    @XlsOrder(1) // プロパティの処理順序を指定します。
 7    @XlsHorizontalRecords(tableLabel="履歴", terminal=RecordTerminal.Border)
 8    @XlsRecordOption(overOperation=OverOperation.Insert, remainedOperation=RemainedOperation.Delete) // データによって行の追加、削除する設定
 9    private List<EmployeeHistory> histories;
10
11    @XlsOrder(2) // プロパティの処理順序を指定します。
12    @XlsLabelledCell(label="名前")
13    private String name;
14
15}

8.2. シート上の見出しの取得

読み込み時、書き込み時にマッピングしたセルの見出しを取得できます。

入力値検証の際などのメッセージの引数に使用したりします。

取得方法は複数ありますが、 Map<String, String> labels フィールドを用いる方が記述量を少なくできます。

注釈

セルの見出しを取得できるのは、アノテーション @XlsLabelledCell, @XlsColumn, @XlsMapColumns を付与したプロパティです。

  1. Map<String, String> labels というフィールドを定義しておくとプロパティ名をキーにセルの位置がセットされるようになっています。

  • アノテーション @XlsMapColumns のセルの位置情報のキーは、 <プロパティ名>[<セルの見出し>] としてセットされます。

  • アノテーション @XlsArrayColumns のセルの位置情報のキーは、 <プロパティ名>[<インデックス>] としてセットされます。

  1. アノテーションを付与した <setterメソッド名>Label というメソッドを用意しておくと、引数にセルの位置が渡されます。

  • 位置情報を取得用のsetterメソッドは、引数 String 型を取る必要があります。

  • ただし、@XlsMapColumns に対するsetterメソッドは、第一引数にセルの見出しが必要になります。

    • String key, String label

  • ただし、@XlsArrayColumns に対するsetterメソッドは、第一引数にセルのインデックスが必要になります。

    • int index, String label

  1. アノテーションを付与した <フィールド名>Label というString型のフィールドを用意しておくと、セルの位置が渡されます。

  • ただし、@XlsMapColumns に対するフィールドは、Map<String, String> 型にする必要があります。キーには見出しが入ります。

  • また、@XlsArrayColumns に対するフィールドは、List<String> 型にする必要があります。

 1public class SampleRecord {
 2
 3    // 汎用的な見出し情報
 4    public Map<String, String> labels;
 5
 6    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するフィールド
 7    private String nameLabel;
 8
 9    @XlsColumns(label="名前")
10    private String name;
11
12    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するメソッド
13    // フィールド labelsが定義あれば必要ありません。
14    public void setNameLabel(String label) {
15        //...
16    }
17
18    // @XlsMapColumnsの場合
19    @XlsMapColumns(previousColumnName="出欠")
20    private Map<String, String> attendedMap;
21
22    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するフィールド
23    private Map<String, String> attendedMapLabel;
24
25    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するメソッド
26    // @XlsMapColumnsの場合keyは、セルの見出しの値
27    // フィールド labelsが定義あれば必要ありません。
28    public void setAttendedMapLabel(String key, String label) {
29        //...
30    }
31
32    // @XlsArrayColumnsの場合
33    @XlsArrayColumns(columnName="ふりがな")
34    private List<String> rubyList;
35
36    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するフィールド
37    private Map<String, String> rubyListLabel;
38
39    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するメソッド
40    // @XlsArrayColumnsの場合indexは、インデックスの値
41    // フィールド labelsが定義あれば必要ありません。
42    public void setRubyListLabel(int index, String label) {
43        //...
44    }
45
46
47}

注釈

フィールド Map<String, String> labels と対応するsetterメソッドやフィールドをそれぞれ定義していた場合、 優先度 labels > setterメソッド > フィールド に従い設定されます。

8.3. シート上のコメントの取得

読み込み時に、マッピングしたセルに設定されているコメントを取得できます。 [ver.2.1]

書き込み時は、セルにコメントを設定できます。

取得方法は複数ありますが、 Map<String, String> comments フィールドを用いる方が記述量を少なくできます。

注釈

セルのコメントを取得できるのは、アノテーション @XlsCell, @XlsLabelledCell, @XlsColumn, @XlsMapColumns, @XlsArrayColumns, @XlsArrayCell, @XlsLabelledArrayCell を付与したプロパティです。

見出しセルに対するコメントの取得は、アノテーション @XlsLablledComment を使用します。 さらに、任意の位置のセルのコメントの取得は、アノテーション @XlsComment を使用します。

  1. Map<String, String> comments というフィールドを定義しておくとプロパティ名をキーにセルの位置がセットされるようになっています。

  • アノテーション @XlsMapColumns のセルのコメント情報のキーは、 <プロパティ名>[<セルの見出し>] としてセットされます。

  • アノテーション @XlsArrayColumns のセルのコメント情報のキーは、 <プロパティ名>[<インデックス>] としてセットされます。

  1. アノテーションを付与した <setterメソッド名>Comment というメソッドを用意しておくと、引数にセルのコメントが渡されます。

  • コメント情報取得用のsetterメソッドは、引数 String 型を取る必要があります。

  • ただし、@XlsMapColumns に対するsetterメソッドは、第一引数にセルの見出しが必要になります。

    • String key, String label

  • また、@XlsArraysColumns に対するsetterメソッドは、第一引数にセルのインデックスが必要になります。

    • int index, String label

  1. アノテーションを付与した <フィールド名>Comment というString型のフィールドを用意しておくと、セルのコメントが渡されます。

  • ただし、@XlsMapColumns に対するフィールドは、Map<String, String> 型にする必要があります。キーには見出しが入ります。

  • また、@XlsArrayColumns に対するフィールドは、List<String> 型にする必要があります。

 1public class SampleRecord {
 2
 3    // 汎用的なコメント情報
 4    public Map<String, String> comments;
 5
 6    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するフィールド
 7    private String nameComment;
 8
 9    @XlsColumns(label="名前")
10    private String name;
11
12    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するメソッド
13    // フィールド commentsが定義あれば必要ありません。
14    public void setNameComment(String comment) {
15        //...
16    }
17
18    // @XlsMapColumnsの場合
19    @XlsMapColumns(previousColumnName="名前")
20    private Map<String, String> attendedMap;
21
22    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するフィールド
23    private Map<String, String> attendedMapComment;
24
25    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するメソッド
26    // @XlsMapColumnsの場合keyは、セルの見出しの値
27    // フィールド commentsが定義あれば必要ありません。
28    public void setAttendedMapComment(String key, String comment) {
29        //...
30    }
31
32    // @XlsArrayColumnsの場合
33    @XlsArrayColumns(columnName="ふりがな")
34    private List<String> rubyList;
35
36    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するフィールド
37    private Map<String, String> rubyListComment;
38
39    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するメソッド
40    // @XlsArrayColumnsの場合indexは、インデックスの値
41    // フィールド labelsが定義あれば必要ありません。
42    public void setRubyListComment(int index, String comment) {
43        //...
44    }
45
46}

注釈

フィールド Map<String, String> comments と対応するsetterメソッドやフィールドをそれぞれ定義していた場合、 優先度 comments > setterメソッド > フィールド に従い設定されます。

8.3.1. 書き込み時のコメント情報の設定方法

書き込み時は、読み込み時と同様に複数の定義方法があります。

書き込むコメント情報の定義方法は複数ありますが、 Map<String, String> comments フィールドを用いる方が記述量を少なくできます。

各プロパティに対するメソッドを定義しておけば、getterメソッド経由で取得されます。

 1// 書き込むデータの定義
 2SampleSheet sheet = new SampleSheet();
 3
 4SampleRecord item = new SampleRecord();
 5
 6// コメントを保持するフィールドのインスタンス定義
 7item.comments = new HashMal<>();
 8
 9// プロパティ「name」に対するコメントを設定する
10item.comments.put("name", "コメント1");
11
12// @XlsMapColumnsに対するコメントを設定する。
13item.comments.put("attendedMap[4月1日]", "コメント2");
14item.comments.put("attendedMap[4月2日]", "コメント3");
15
16// @XlsArrayColumnsに対するコメントを設定する。
17item.comments.put("rubyList[0]", "コメント4");
18item.comments.put("rubyList[1]", "コメント5");
19
20// レコードの定義
21public class SampleRecord {
22
23    // 汎用的なコメント情報
24    public Map<String, String> comments;
25
26    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するフィールド
27    private String nameComment;
28
29    @XlsColumns(label="名前")
30    private String name;
31
32    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するメソッド
33    // フィールド commentsが定義あれば必要ありません。
34    public String getNameComment() {
35        //...
36    }
37
38    // @XlsMapColumnsの場合
39    @XlsMapColumns(previousColumnName="名前")
40    private Map<String, String> attendedMap;
41
42    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するフィールド
43    private Map<String, String> attendedMapComment;
44
45    // プロパティごとに個別に見出し情報を定義するメソッド
46    // @XlsMapColumnsの場合keyは、セルの見出しの値
47    // フィールド commentsが定義あれば必要ありません。
48    public String getAttendedMapComment(String key) {
49        //...
50    }
51
52    // @XlsArrayColumnsの場合
53    @XlsArrayColumns(columnName="ふりがな")
54    private List<String> rubyList;
55
56    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するフィールド
57    private Map<String, String> rubyListComment;
58
59    // プロパティごとに個別にコメント情報を定義するメソッド
60    // @XlsArrayColumnsの場合indexは、インデックスの値
61    // フィールド labelsが定義あれば必要ありません。
62    public String setRubyListComment(int index) {
63        //...
64    }
65
66}

注釈

書き込み時のコメントの枠サイズなどは、アノテーション @XlsCommentOption を使用します。

フォントなどは、セルの設定値を引き継ぎます。 ただし、すでにコメントが設定されている場合は、設定されている書式に従います。